Cafe Press vol.8

血栓けっせんをつくりにくくする?

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コーヒーの不思議な力

血のかたまりが血管に詰まってしまい 心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのはやっかいものですが、 コーヒーにはこの血栓をつくりにくくする不思議な作用があるというのです。 日本人の死因でガンに次いで多いのは心筋梗塞や脳梗塞といった心血管病です。 どちらも血管内に血栓という血のかたまりが詰まって起こる病気です。 健康だと思っていたのに ある日突然、死をもたらす恐ろしい病、コーヒーにはその元凶となる血栓を つくりにくくする働きがあることを ご存知でしょうか?

世界中の人々がガンよりも恐れている “ 心血管病 ” !

日本人の死因の第1位はガンですが、欧米の人たちの死因で最も多いのは心血管病なんです。 これは酸素をたくさん必要とする心臓や脳などの特別な血管に血のかたまりが詰まってしまい、 組織に十分な酸素が行き渡らなくなって起きる病気です。
心臓に血液を送っている血管に血のかたまりが詰まると心筋梗塞になり、脳の場合は脳梗塞になる。 欧米だけでなく、世界的にも心疾患病が死因の第1位なのです。 つまり、日本人がガンを恐れるのと同じように、世界中の人々は心血管病を恐れているのです。
私たちはガンになると大きなショックを受けます。だから、ガンに効くといわれる食べ物にも とても強い興味を抱きますよね。
それと同じように、欧米の人たちにとってコーヒーが心筋梗塞や脳梗塞を多少なりとも予防できる というニュースは、とても大きなインパクトがあったそうです。 ですが、少し前までは「コーヒーは心筋梗塞になる確率を増やすのではないか」という疑いがあったらしいのですが...

疫学的に明らかになったコーヒーと心筋梗塞の関係

心筋梗塞に罹った人のうち、コーヒーを飲んでいた人と飲んでいなかった人の数を単純に比較すると、 若くして心筋梗塞になった人は『コーヒーを飲んでいた人が多い』と言われていたんです。 なぜかというと、コーヒーだけでなくタバコを一緒に吸っていたからなんです。
最近の研究では...「交絡因子」と呼ぶのですが、コーヒーならコーヒーの影響だけを取り出さなければ いけない。
タバコとコーヒーを一緒に観察すると悪影響を与えているように見えるが、コーヒー単独ならどうなのかを考える必要があるからです。
そして、コーヒーとタバコを分離した研究成果が「フラミンガム研究」で発表されました。

※ フラミンガム研究とは...
アメリカ・マサチューセッツ州ボストンの郊外にある人口3万人ほどの小さな町「フラミンガム」で 行われている心血管病に関する経年的で大規模な追跡調査のことです。


アメリカ政府は、この町の住民の健康状態を1948年から今日まで数十年間追い続けています。 理由は、第二次世界大戦後に戦争で亡くなった人数よりも心筋梗塞で亡くなった人数の方が 多いという事実にショックを受けたからです。
そこで、心疾患病を研究してその対策を講じるために、最終的に心筋梗塞になる人、脳梗塞になる人、 どちらにもならない人に分けて、どのような生活を過ごしていた人が心筋梗塞になりやすいのかを 調べていきました。
その結果、「血圧が高い」「タバコを吸っている」「肥満である」「高脂血症がある」など、 心筋梗塞になりやすい因子がわかりました。
さらに、生活習慣の中でコーヒーとタバコを分離すると、コーヒーを飲んでいる人のほうが 心筋梗塞になりにくいことも明らかになったというのです。
フラミンガム研究の前は『コーヒーは心筋梗塞になりやすいみたいだけど、おいしいからね』 と飲んでいましたが...現実はコーヒーには心筋梗塞の発症予防効果があったのです。
その事実が疫学的に明らかになったので、発表されたときは大きな反響を呼びました。

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